HOME > 患者さんのためのインプラントの基礎知識
万一、歯を失ったときに多くの人が願うのは、できるだけ元の歯に近い感触で食べられるように治したいということでしょう。
いくつかある選択肢のうち、入れ歯やブリッジでなんとかその場をしのいだとしても、残念ながら時間が経てばトラブルが生じます。歯の喪失とともに歯槽骨や歯根膜が体へ吸収されるからです。時間が経過すればするほど、最初に作った入れ歯が合わなくなるでしょう。
またブリッジであれば、両隣接する歯を削り、負担をかけている脇の歯がぐらついてくるトラブルが起こるでしょう。
1本歯が抜けると誰でも遅かれ早かれそうなるものと、あきらめるしかなかった時代も確かにありました。
そこへ現れたのがインプラント(人工歯根)です。インプラントとは人工の歯根を歯槽骨に埋め込み、しっかりと結合させた後、その上部に人工の歯を取り付ける治療法です。
歯根にあたるインプラント体は、チタンという金属でできています。チタンのもつ骨との強固な結合性を利用して歯科用はもとより多くの医療分野で人工関節やネジ、頭蓋骨の代替用など、広く使われるようになりました。多くの分野で、チタンは生体となじみやすく拒絶反応を起こさないことが認められ利用されているのです。
現在インプラントの10年経過後の定着率は96%(ノーベルバイオケア社製インプラント)と高い数字を誇っています。歯科先進国の欧米ではすでにインプラントはスタンダードな治療法で、大学では入れ歯の学問は少なくなりインプラントを中心とした教育が主に行われています。